自分で動かしているわけではなく勝手に手が震える、これを不随意運動と言います。
顔や目の縁のひきつけ・両目を開けられないほどの激しい瞬きなどもあります。
手の震えは通常、加齢とともに増えていくものです。
悪化すると字を書いたり食事したりといった日常動作にも支障が出てしまいます。
軽いものであれば誰にでも起こることはあり心配はいりません。
極度の緊張を感じたときに手が震えたという方も多いでしょう。ただ脳の老化や緊張によるものだけでなく病気が原因のこともあるので注意は必要です。
パーキンソン病
安静にしているときに震えが来るけれど何か動作をしようとすると止まるという場合はパーキンソン病の初期症状かもしれません。
脳の黒質の変性で起こる難病で、悪化すると筋肉の硬直から表情や動きが乏しくなっていきます。
本態性振戦(老人性振戦)
動作をしようと意識することで逆に震えが強くなるのなら老人性振戦かもしれません。
老人性振戦はその名の通り、高齢になって発症するのですが、思春期から青年期に発症する場合は本態性振戦と呼ばれます。
パーキンソン病の10倍以上・人口10万人に対して1000人以上の割合で見られる患者数の多い病気です。脳への異常はなく、遺伝的要素が大きく関係するので、家族が発症している場合は自身にも起こる可能性は高いです。
パーキンソン病は手足の震えが多いのに対し、本態性振戦は頭や手によく見られます。
足に出ることは稀です。声の震えに影響することもあります。
パーキンソン病と違い、それ以上の進行はありません。
薬剤性振戦・中毒性振戦
プリンペラン・ドグマチールなどの薬を長期間飲むことでの薬剤性振戦というのもあります。
アルコールやタバコ・コカインなどが原因で手の震えが起こる中毒性振戦は有名でしょう。
これらの震えは原因がはっきりしている以上、摂取をやめたり他の薬に変えるなどの対処法が必要となってきます。
本態性振戦は飲酒によって一時的に軽くなるのですが、震えを止めようとアルコールを続けていると今度は中毒性振戦となってしまっては困ります。注意しましょう。
悪化する前に医師に相談を
さまざまな原因が考えられる手の震えは一般医にはなかなか診断が難しかったりします。
日常生活に影響を及ぼしますし、パーキンソン病の場合は放っておくとどんどん悪化してしまいます。
震えがあれば、早めに神経内科を診療し、脳のCTやMRIを撮影してもらい原因を探りましょう。
薬が影響している場合もあるので服用歴を明らかにしておく必要もあります。