メタボリックシンドロームの基準とは?
日本内科学会など8つの学会によって構成された「メタボリックシンドローム診断基準検討委員会」は、2005年にメタボリック症候群の診断基準を発表しました。
そして2008年より、これを元に特定健康診査(メタボ検診)が行われ、保健指導を行ってきました。
その時は、腹囲が男性が85cm以上、女性は90cm以上を必須条件とし、他に血圧高値、血糖高値、脂質異常症(高中性脂肪、低HDLコレステロール)の3つのうち2つ以上該当することとなっています。
具体的には、血圧は収縮期血圧130mmHg以上、拡張期血圧85mmHg以上の両方あるいはどちらかです。
血糖値は空腹時血糖で110mg/dL以上となっていました。
脂質異常症は、中性脂肪(TGやトリグリセライドと表記されていることもあります)が150mg/dL、HDLコレステロールが40mg/dL未満の両方かいずれか、と設定されています。
しかし、国際的には腹囲は必須とはしないで、総合的に診断するのが世界の主流です。
加えて、腹囲がオーバーしていていなくても高血圧や高血糖、脂質異常症などの危険因子が1つでもあれば、脳卒中や心筋梗塞などの発症リスクが2倍になることなどが判り、腹囲の項目を必須とするかどうかや数値等の見直しを行ってきました。
厚労省からまだ詳細の発表はありませんが、「第5回特定健康診断・特定保健指導の在り方に関する検討会」では腹囲肥満がある場合は、今まで通り内臓脂肪蓄積のリスクを考えて内臓脂肪を減らすように介入し、腹部肥満はないけれど高血圧や高血糖や脂質異常などのリスクがある場合は、それ以外の介入を行っていきたという方針のようです。
新基準でのメタボ健診は、2018年より実施される見込みです。
日本人間ドック学会独自の診断基準
一方、厚生労働省とは別に、日本人間ドック学会はメタボリックシンドロームの最新の診断基準を独自に設定しました。
血圧は収縮期が88~147mmHg、拡張期は55~94mmHgです。
肥満度は男性は18.5~27.7、女性は16.8~26.1と設定しました。
新たに肝機能の項目を追加し、ALTが男性は10~37U/L、女性は8~25U/Lとしました。
総コレステロールやLDLコレステロールは男女別年齢別に細かく設定しています。
LDLコレステロールは、男性はどの年齢でも72~178mg/dLですが女性は30~44歳は61~152mg/dL、45~64歳は73~183mg/dL、65歳以上は84~190mg/dLと細かく設定しました。
厚生労働省も近日中に最新の診断基準が発表されると思われます。